
求職者集客・採用
2026/7/18
「求人広告の予算を増やしているのに応募数が伸びない」「応募はあるが登録や就業につながらない」と悩む派遣会社は少なくありません。特に中小・中堅派遣会社では、広告費を大幅に増やすことが難しく、限られた予算で成果を最大化する必要があります。
結論から言えば、広告費を増やさず応募数を増やえる余地は十分にあります。そのためには広告運用だけを見るのではなく、「求人の魅力」「媒体ごとの役割」「応募後の対応速度」「人材プールの活用」といった採用ファネル全体を見直すことが重要です。
本記事では、派遣会社の収益構造も踏まえながら、広告費に頼らず応募数を増やすための具体策を解説します。
目次
広告費を増やせない場合、多くの企業は「より安い媒体を探す」「クリック単価を下げる」といった施策を考えがちです。しかし、応募数は広告費だけで決まるものではありません。
応募数は、次のような複数の要素によって決まります。
応募数=広告表示数 × クリック率 × 応募率
つまり、広告費を変えなくてもクリック率や応募率が改善すれば、応募数は増やせます。
実際には、広告運用よりも求人ページや応募導線に課題があるケースも少なくありません。広告費を増やす前に、まず現在の数字を分解して確認することが重要です。
指標 | 確認ポイント |
|---|---|
クリック率(CTR) | 求人タイトルやサムネイルは魅力的か |
応募率(CVR) | 求人ページで離脱していないか |
応募単価(CPA) | 媒体ごとに費用対効果を比較しているか |
登録率 | 応募後に連絡が取れているか |
就業率 | 登録後に適切な案件を紹介できているか |
応募単価だけを見て判断すると、本当の課題を見誤る可能性があります。派遣会社では、最終的な就業人数まで確認して初めて広告の成果を正しく評価できます。
求職者は一つの求人だけを見て応募しているわけではありません。同じ職種・同じエリアで複数の求人を比較しながら応募先を決めています。
例えば、「物流スタッフ」「製造スタッフ」「一般事務」といった人気職種では、仕事内容よりも給与や休日だけで差別化しようとする派遣会社が多く見られます。
しかし実際には、求職者は次のような情報も重視しています。
この派遣会社は連絡が早そうか
就業までスムーズに進めそうか
福利厚生やフォロー体制は充実しているか
希望条件に合わせて他の仕事も紹介してくれそうか
つまり、求人票は「仕事内容」を伝えるだけではなく、「この派遣会社なら安心して相談できそう」と感じてもらう役割も担っています。
求人内容そのものを変えられない場合でも、伝え方は改善できます。
例えば、
就業開始までの流れを明記する
面談方法(来社・WEB)を分かりやすく記載する
担当者のフォロー内容を書く
キャリア相談が可能であることを伝える
といった情報を加えるだけでも、応募率が変わる可能性があります。
求職者は「仕事」を探している一方で、「安心できる派遣会社」も同時に探しています。この視点が抜けている求人は、条件が同じでも比較で負けやすくなります。
広告費を増やさず成果を上げる派遣会社は、媒体を一律に評価していません。それぞれの媒体が担う役割を理解し、目的ごとに使い分けています。
例えば求人検索エンジンは応募数を集めやすい一方で、比較検討されやすい特徴があります。一方、自社採用サイトやLINE登録は、一度接点を持った求職者との関係を維持する役割があります。
媒体ごとの応募単価だけを見ると、高く見える媒体でも就業率が高ければ十分に投資価値があります。逆に応募数が多くても登録や就業につながらない媒体は、改善や見直しが必要です。
重要なのは、媒体単位ではなく「応募→登録→就業」までを一つの流れとして評価することです。広告担当者だけでなく、コーディネーターや営業担当とも数字を共有することで、改善すべきポイントが見えやすくなります。
応募数が増えれば採用も増えるとは限りません。派遣会社では「応募→連絡→登録→面談→案件紹介→就業」の各段階で離脱が発生するためです。
特に見落とされやすいのが、応募後の初回対応です。求職者は複数の派遣会社へ同時応募することが一般的であり、最初に連絡が来た会社から話を進めるケースも少なくありません。そのため、広告改善だけでなく、応募後の対応速度も集客施策の一部と考える必要があります。
応募
↓
自動返信メール・SMS送信
↓(できるだけ早く)
電話・LINEで初回接触
↓
登録面談
↓
案件提案
↓
就業
広告担当者とコーディネーターの役割が分断されている会社では、「応募数は増えたのに就業が増えない」という状況が起こりがちです。応募後の対応時間や登録率もKPIとして管理することで、広告費を増やさず成果を改善できる可能性があります。
広告費を抑えながら成果を出している派遣会社に共通する特徴の一つが、過去の応募者を資産として活用していることです。
一度応募したものの就業に至らなかった人や、契約満了後に退職したスタッフは、新しい求人条件であれば再び就業する可能性があります。しかし、こうした人材へ継続的に連絡している会社は決して多くありません。
例えば、LINEやメールで新着求人を定期配信したり、希望条件の変更を確認したりするだけでも、広告を使わず応募を獲得できる可能性があります。
これは「応募を集める施策」ではなく、「応募を活かす施策」です。広告費を増やさず成果を出す会社ほど、この考え方を重視しています。
例えば、製造派遣を中心に展開する派遣会社を想定してみましょう。
改善前は、応募数が減少すると広告予算を追加し続けていました。しかし、応募後の初回連絡が翌日以降になることも多く、登録率が伸びませんでした。
そこで、求人票の情報を見直し、応募後すぐに自動返信とLINE案内を送る運用へ変更しました。また、過去応募者へ新着求人を定期配信する仕組みを整えた結果、新規広告費を増やさなくても応募数と登録数の改善が期待できる状態になりました。
もちろん実際の成果は地域や職種によって異なりますが、このように広告だけではなく採用ファネル全体を見直すことが重要です。
応募単価だけでなく登録率・就業率まで確認している
求人票に「派遣会社を選ぶ理由」が伝わる内容を記載している
応募後すぐに連絡できる運用になっている
媒体ごとの役割を整理し、成果を比較している
過去応募者・登録スタッフへの再アプローチを実施している
広告担当者と営業・コーディネーターがKPIを共有している
広告費を増やさず応募数を増やすためには、広告運用だけを改善する発想から脱却することが重要です。応募数は、求人票の魅力、媒体の使い分け、応募後の対応速度、人材プールの活用など、多くの要素によって決まります。
特に派遣会社では、応募数よりも「就業につながる応募」を増やすことが利益改善につながります。まずは応募単価だけではなく、登録率・就業率まで可視化し、自社の採用ファネル全体を見直すことから始めてみてください。
広告費を抑えながら事業を成長させるためには、求職者集客だけでなく、安定して紹介できる求人案件を確保することも重要です。自社営業だけでは接点を持ちにくい求人企業へのアプローチを補完する選択肢として、求人企業と派遣会社をつなぐプラットフォームを活用する方法もあります。ハケンバンクは、そのような営業活動を支援する仕組みの一つとして運営されています。
可能です。クリック率や応募率、応募後の対応速度、過去応募者の活用などを改善することで、広告予算を変えずに応募数や就業数の向上が期待できます。
応募単価だけでなく、登録率、面談率、就業率まで確認することが重要です。どこで離脱しているかを把握することで、優先的に改善すべき業務が見えてきます。
仕事内容だけでなく、面談方法、就業開始までの流れ、担当者のサポート体制など、「この派遣会社なら安心できそう」と感じてもらえる情報を充実させることが重要です。
厚生労働省「一般職業紹介状況」(最新版)
厚生労働省「労働者派遣事業報告書の集計結果」(最新版)
労働政策研究・研修機構(JILPT)「労働市場に関する各種調査」
総務省「労働力調査」(最新版)
この記事の監修者

ハケンバンク運営チーム
ハケンバンク運営チームは、人材派遣会社と求人企業をつなぐプラットフォーム「ハケンバンク」の運営を通じて、派遣業界の市場動向や現場課題を日々分析しています。
派遣会社の経営者・営業担当者・コーディネーターの実務に役立つ情報を発信し、「派遣会社の経営を変える知識」をテーマに、業界の構造や最新トレンド、実践的なノウハウを分かりやすくお届けしています。

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