派遣会社が新規開拓で狙うべき業界ランキング【優先順位】

求人開拓・営業

2026/7/16

派遣会社が新規開拓で狙うべき業界ランキング【優先順位】

新規開拓に苦戦する中小・中堅派遣会社ほど、営業先を人手不足の深刻さだけで選びがちです。しかし、最初に狙う業界は、求人需要だけでは決まりません。案件を獲得しやすいか、人材を集めやすいか、継続稼働につながるか、適正な粗利を確保できるかを同時に見る必要があります。

目次

結論からいえば、最初に狙うべき順番は、製造、物流・倉庫、宿泊・観光、介護・福祉、建設周辺職種です。2026年4月時点で正社員不足を感じる企業は50.6%です。ただし、需要が強い業界ほど採用難も大きく、自社の供給力とセットで判断する必要があります。

派遣会社が最初に狙うべき業界ランキング

このランキングは、市場規模ではなく、中小派遣会社が初期の稼働をつくりやすい順番です。評価軸は、求人の反復性、人材要件の標準化、採用可能性、契約継続性、競争環境の5点です。

順位

業界

狙う理由

主な注意点

1位

製造

複数名募集や交替勤務が多く、業務を標準化しやすい

工場ごとの定着率と通勤条件

2位

物流・倉庫

物量変動があり、増員需要が発生しやすい

短期案件だけでは粗利が安定しにくい

3位

宿泊・観光

繁閑差が大きく、現場単位の不足が顕在化しやすい

土日勤務、語学、接客適性

4位

介護・福祉

構造的な人材不足が続き、継続需要がある

資格、経験、夜勤対応、定着支援

5位

建設周辺職種

施工管理補助、CAD、事務など専門人材の需要がある

建設作業そのものへの派遣は不可

1位は製造。案件と人材の型をつくりやすい

製造業は、最初の業界として再現性があります。業務と必要スキルを整理しやすく、同一拠点で複数名の稼働をつくれるためです。2026年4月の新規求人は前年同月比で全体が減少する中、製造業は増加しました。

ただし、「未経験者を出せます」だけでは大手との価格競争になります。求人企業が見ているのは、欠勤時の代替対応、入社前説明、初日の同行、離職兆候の把握です。中小派遣会社は、供給人数よりも現場ごとの定着設計で差別化すべきです。

2位は物流・倉庫。需要は強いが短期依存を避ける

物流は、EC、食品、日用品など荷動きが継続し、繁忙期の増員も発生します。国土交通省は、対策を講じなければ2030年度に輸送能力が約34%不足する可能性を示しています。

一方で、スポット案件ばかり取ると、求人広告費と登録対応の負担が増えます。最初から「繁忙期だけ」ではなく、長期枠、リーダー枠、夜勤枠まで確認してください。案件数ではなく、3か月後も残る稼働人数で営業先を評価することが重要です。

3位以下は、自社の人材プールで順位が変わる

宿泊・観光は地域や季節が合えば狙いやすい業界です。介護・福祉は継続性が高い一方、資格確認と就業後フォローが重要です。建設分野は人手不足が強いものの、建設作業への派遣は禁止されているため、施工管理補助、CAD、現場事務など対象業務を明確にする必要があります。

つまり、万人に共通する正解はありません。登録者の居住地、経験職種、希望時間帯を集計し、供給可能な人材が多い業界から営業する方が、受注後の失注を防げます。

危険なのは「案件を取ってから人を集める」営業

人材がいない状態でも求人獲得は必要です。ただし、受注可能性と供給可能性を混同してはいけません。求人企業は、知名度よりも「いつまでに、何人を、どの条件で提案できるか」を見ています。曖昧な回答を続けると、次回の相談先から外れます。

例えば、製造案件を広く受注する会社と、通勤30分圏内、夜勤可能な登録者を把握して提案する会社を想定してください。後者は案件数が少なくても、充足率を高めやすくなります。成功企業は営業とコーディネーターが同じ人材データを見ており、失敗企業は営業が案件を集めた後に初めて採用難へ気づきます。

今日から実践するためのチェックリスト

  • 登録者を職種、居住地、勤務時間、資格で分類する

  • 業界別に想定派遣単価、募集賃金、採用費、粗利を試算する

  • 必要人数、開始日、継続期間、競合社数を確認する

  • まず1業界・1エリア・1職種に営業資源を集中する

まとめ

最初に狙う業界は、需要の大きさではなく、自社が安定して人材を供給し、継続稼働をつくれるかで決めるべきです。基本順位は製造、物流・倉庫、宿泊・観光、介護・福祉、建設周辺職種ですが、自社の登録者構成によって入れ替わります。

最初の行動は、営業リストを増やすことではありません。既存登録者を分析し、「誰を、どの業界へ、何日以内に提案できるか」を言語化してください。その答えが、最も勝ちやすい市場です。

ハケンバンクについて

求人開拓を自社だけで進めることが難しい場合は、外部の仕組みを活用する方法があります。ハケンバンクは、求人企業と派遣会社をつなぎ、自社だけでは接点を持ちにくい求人案件との出会いを支援するプラットフォームです。

参考文献

・帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)」(2026年5月19日)

・厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年4月分)」(2026年5月29日)

・国土交通省「物流を取り巻く動向と物流施策の現状・課題」(2026年)

・厚生労働省「労働者派遣事業を適正に実施するために」

この記事の監修者

ハケンバンク運営チーム

ハケンバンク運営チームは、人材派遣会社と求人企業をつなぐプラットフォーム「ハケンバンク」の運営を通じて、派遣業界の市場動向や現場課題を日々分析しています。
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